文部科学省が発表した新しい教育指導要領は、抜本的な教育改革になります。
今までの修正とは違い、大幅な教育方針を変更になることは、あまり知られておらず、メディアもその辺はあまり分かっていません。知り合いの伝で新聞社にもこのことをちゃんと報じてもらおうと働きかけましたが、かなり温度差があります。
もっとも、その頃はトランプ大統領、小池都知事関連などで大変でそれどころではなかったのかもしれませんが、教育は国の根本的なものであり、そこは日本が一番理解しているのではと思っていました。
今までの教育指導要領の修正は、教科書の内容を少し変えるとか、難しくするとか簡単にするとか、新しい教科を入れるとか、さほど実態は変わらなかったのでは無いでしょうか?「ゆとり教育」も大幅な修正だったのですが、これも教科を易しくして、ゆとりを持たせようということで、残念ながら大失敗でした。
失敗の理由は、易しくした代わりにどういう教育像にするのか、末端まで伝わっていなかったようですし、それをトレーニングする仕組みも用意していないことが最大の原因だと思います。
今回は、アクティブラーニング、小学校からの英語教育などが大きな話題となっていますが、現在の教師がこれらを教えられるのか大変疑問です。多分無理だと思います。
しかも、大学受験の制度も大幅に変更し、なんと英語のテストには外国人(英語が母国語では無い人)がアメリカの大学で授業について行けるかどうかを測るテストであるTOEFLを導入するというのです。TOEFLは大変難しいテストで、日本の大学が英語で授業をするというのなら理解できますが、何の意味があるのか分かりません。
TOEFLを導入する最大の目的は、日本人のスピーキング能力の低さです。TOEFL受験者の国別平均点で最下位だそうで、今後日本も積極的に海外に出ていかなければならない時代になり、国力衰退を恐れてスピーキング能力を高めたいというのが理由です。
確かに、TOEFLの得点が高い方が良いのですが、これはアメリカに留学する人のテストであり、アメリカに留学したいくせにスピーキングが出来ない方が問題です。アメリカに留学したいのにもかかわらずスピーキングが出来ないぐらい日本人のスピーキングの能力が低いともとられることも出来ます。
いずれにしろ、スピーキングの能力を高めたいそうです。
一番簡単な解決策は、スピーキングの先生を導入して、スピーキングの授業を少人数で行えば良いだけでしょう。
しかも、しゃべるというのは、高度な英語力では無く、話したいことがあるかどうかと、とりあえず話してみて伝えられるかどうか?ということなので、文法的に正しくても伝わらないこともあるし、逆の場合もあります。
こういうのは、経験がものをいうので、英語がしゃべれない先生に習ったって上達しないでしょう。
それと一番大きな問題は、1クラスの人数です。1クラス30〜40人ぐらいでアクティブラーニングとか英語のスピーキングなんて出来ないと思います。せめて20人程度。スピーキングをさせたいのなら5人でも多いくらいです。
少子化も進んでいるのだし、教師の数を増やし、くだらないイベントなどを減らして教師の負担を減らしていく必要があると思います。
小学校には、担任を受け持っている先生と同じぐらいの人が働いています。勿論彼らは必要だからいるのですが、もっと担任を増やして1クラスの人数を減らせると思います。