日能研の低学年向けのテストでは、
近年問われている思考力記述力を測る問題が出されます。
国語だけでは無く算数でも同様の問題が出され、
ルーブリックという方法で点数が算出されるようになっています。
日能研は、電車の広告でも「四角い頭を丸くする」というキャッチコピーで中学入試の問題が掲載され、独特な中学入試の問題にスポットライトを当ててきていました。
今度の教育改革でも日の目を見るようで、
日能研の教育スタイルは一日の長がありそうです。
そういった日能研ですから、この全国テストもなかなか変わった問題を出してきて、簡単のようで難しい内容です。
ルーブリック評価という評価基準に則って採点するなど、こういった日本ではなかなか定着していない教育評価も採り入れています。
採点側のさじ加減に影響されやすい教育評価を敢えて採り入れ、実地するのは良いことだと思います。
メリットもあればデメリットもあるわけですが、ルーブリックで一番難しいのはデータ化をしたところは、チャレンジとして一定の評価は出来ます。
しかし、大きな問題があります。
受験者は何を評価されるのか情報を共有出来るような質問では無いと思われるからです。
とても長い問題文(説明文)はあるのですが、
設問は1〜2行程度ととてもあっさりしているのです。
これでは、受験者は何を答えて欲しいのか?どんな解答を期待されているのか、
ほとんど空気を読むという状態です。
一般的な算数の問題でも、大問の最初の問題では、最後の問題のヒントとなるような問題が出題され、
答えに導くという方法が難関校でも良くあります。
このような記述問題でも、答えてもらいたいことをステップ毎に踏むことは出来るはずです。
たとえば、「自分の好きなお菓子をなぜ好きなのか書きなさい。」という質問で、
「ケーキ、あまくて美味しいから」と答えたら、満点の解答では無いのは分かると思います。
しかしこの問題には過不足無く答えていますし、小学校低学年ではたくさん書くことに価値観を持っている子供で無ければなかなか難しいでしょう。一方簡潔に自分の言いたいことを表すという能力もあります。
この例で言えば、
1)好きなお菓子はなんですか?
2)それはどうしてですか?
3)同じ味のお菓子と比べて、なぜそれが良いのですか?
という形で聞かれれば、初めの質問よりも詳しくかける子は多くなるに違いありません。
ルーブリック評価で重要なのは「何が評価されるのか」について、あらかじめ評価軸が示されていることが重要です。
今回の教育改革でもアメリカの教育スタイルをほとんどまねていますが、
ペーパーテストでルーブリック評価を行うのは見たことが見たことが無く、
受験者からのフィードバック、採点者が気づかなかった評価されるべき内容が反映される余地がありません。
もともとテストに隠れてしまう生徒の優れた面を見いだす評価だと思うので、
なんとなく合わないと感じてしまいます。
まとめると、この問題に関しては問題文はとても目を引く素晴らしい物であるものの、設問が弱すぎて能力評価として活かされいないと感じます。
また、いたずらに外部の人を惑わす結果になっていないのか注意が必要では無いかと思います。